Nature ハイライト

量子物理学:捕獲イオン系でのホン–オウ–マンデル効果

Nature 527, 7576

ホン–オウ–マンデル効果はボソンの干渉が関与する量子現象であり、ボソンの識別不可能性の証拠となる。この効果は光子と中性原子に対して実証されている。今回、豊田健二(大阪大学)たちは、ある系の量子化された振動モードに伴う準粒子であるフォノンに対してホン–オウ–マンデル干渉を実証した。この実証は捕獲イオン系で行われており、捕獲イオンは、量子コンピューターの有望な構成要素である。著者たちはさらに、フォノンを用いてエンタングル状態を生成することも試みた。フォノンはこれまで、捕獲イオンを用いた量子計算実験では補助的な役割しか果たしていなかったが、今回の結果から、フォノン自体を量子情報担体として確立する新たな展望が開かれる。

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