Nature ハイライト
量子物理学:捕獲イオン系でのホン–オウ–マンデル効果
Nature 527, 7576
ホン–オウ–マンデル効果はボソンの干渉が関与する量子現象であり、ボソンの識別不可能性の証拠となる。この効果は光子と中性原子に対して実証されている。今回、豊田健二(大阪大学)たちは、ある系の量子化された振動モードに伴う準粒子であるフォノンに対してホン–オウ–マンデル干渉を実証した。この実証は捕獲イオン系で行われており、捕獲イオンは、量子コンピューターの有望な構成要素である。著者たちはさらに、フォノンを用いてエンタングル状態を生成することも試みた。フォノンはこれまで、捕獲イオンを用いた量子計算実験では補助的な役割しか果たしていなかったが、今回の結果から、フォノン自体を量子情報担体として確立する新たな展望が開かれる。
2015年11月5日号の Nature ハイライト
システム生物学:遺伝子制御における位相の調節
微生物学:細菌性バイオフィルム内の効率的な協調
構造生物学:ピエゾ1チャネルの構造
宇宙物理学:初期の原始星進化に見られる質量アウトフロー
量子物理学:捕獲イオン系でのホン–オウ–マンデル効果
高分子化学:手頃な価格のレドックス・フロー電池
材料科学:跳ね返る水滴
有機化学:アルケンのsyn-カルボアミノ化
動物学:成体の性比と性染色体の関連性
神経科学:双極性障害に対するリチウムの有効性を調べるためのiPS細胞モデル