Nature ハイライト

有機化学:アルケンのsyn-カルボアミノ化

Nature 527, 7576

アルケンの二官能基化反応は、非常に複雑な分子構造の構築に利用できるため、特に重要な反応である。ジヒドロキシル化、アミノヒドロキシル化、ハロゲン化などの立体選択的酸化反応は、十分確立されたアルケン官能基化法である。しかし、1つのアルケンに対して立体選択的に炭素系官能基と窒素系官能基の両方を分子間導入した例は報告されていない。今回T PiouとT Rovisが、Rh(III)触媒を用いたアルケンのsyn-カルボアミノ化について報告している。この反応は、炭素系官能基と窒素系官能基の供給源としてエノキシフタルイミドを用いたC–H活性化で始まる。今回の反応法では、1つのアルケンに対して1つのC–C結合と1つのC–N結合を立体特異的に、しかも完全分子間で形成することができる。

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