Nature ハイライト
がん:遠隔転移は酸化ストレスによって減少する
Nature 527, 7577
黒色腫細胞などの固形がん細胞は循環系に容易に入り込むが、元の腫瘍から離れた部位に転移巣を形成する効率はそれほど高くない。S Morrisonたちは今回、マウスで増殖させたヒト黒色腫細胞が血流に入ると、高レベルの酸化ストレスを受けるため、生き残って腫瘍を形成する転移細胞が非常に少なくなることを明らかにした。転移に成功したごく少数の黒色腫細胞は、酸化ストレスに耐える能力を高めるような代謝変化を生じていた。抗酸化剤を投与するとヒト黒色腫細胞による転移が増加したが、抗酸化経路を阻害すると逆の影響が見られた。
2015年11月12日号の Nature ハイライト
神経科学:不安と恐怖の調節機構
がん:遠隔転移は酸化ストレスによって減少する
分子生物学:BCL11Aエンハンサーの破壊解析
構造生物学:Na+活性化K+チャネルであるSlo2.2の構造
惑星科学:近傍にある岩石質で地球サイズの惑星GJ 1132b
量子物理学:離れているのにエンタングルした中性原子
量子物理学:反強磁性体の異常性に見られる異常
材料化学:液体なのに多孔性の材料
地球力学:最初の沈み込み帯
経済学:気候温暖化のコスト
DNA:DNA損傷部位での正電荷の役割