Nature ハイライト
分子生物学:BCL11Aエンハンサーの破壊解析
Nature 527, 7577
BCL11Aは、成体で胎児型グロビン遺伝子の発現を抑制する転写抑制因子であり、βサラセミアや鎌状赤血球病などのβグロビン症に対する有望な治療標的候補である。BCL11Aのエンハンサーには、胎児型ヘモグロビン発現レベルと関連した遺伝的変動がよく見られる。今回D Bauerたちは、CRISPR-Cas9法を用いて、ヒトとマウスのBCL11Aエンハンサーに飽和変異導入を行い、重要な領域と個々の特異的脆弱性を表すマップを作成した。また、CRISPR-Cas9によるBCL11Aエンハンサーの破壊を、マウスと初代ヒト赤芽球の両方で行い、これが胎児型ヘモグロビンを誘導するための治療戦略として有望であることを実証した。
2015年11月12日号の Nature ハイライト
神経科学:不安と恐怖の調節機構
がん:遠隔転移は酸化ストレスによって減少する
分子生物学:BCL11Aエンハンサーの破壊解析
構造生物学:Na+活性化K+チャネルであるSlo2.2の構造
惑星科学:近傍にある岩石質で地球サイズの惑星GJ 1132b
量子物理学:離れているのにエンタングルした中性原子
量子物理学:反強磁性体の異常性に見られる異常
材料化学:液体なのに多孔性の材料
地球力学:最初の沈み込み帯
経済学:気候温暖化のコスト
DNA:DNA損傷部位での正電荷の役割