Nature ハイライト

分子生物学:BCL11Aエンハンサーの破壊解析

Nature 527, 7577

BCL11Aは、成体で胎児型グロビン遺伝子の発現を抑制する転写抑制因子であり、βサラセミアや鎌状赤血球病などのβグロビン症に対する有望な治療標的候補である。BCL11Aのエンハンサーには、胎児型ヘモグロビン発現レベルと関連した遺伝的変動がよく見られる。今回D Bauerたちは、CRISPR-Cas9法を用いて、ヒトとマウスのBCL11Aエンハンサーに飽和変異導入を行い、重要な領域と個々の特異的脆弱性を表すマップを作成した。また、CRISPR-Cas9によるBCL11Aエンハンサーの破壊を、マウスと初代ヒト赤芽球の両方で行い、これが胎児型ヘモグロビンを誘導するための治療戦略として有望であることを実証した。

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