Nature ハイライト
材料化学:液体なのに多孔性の材料
Nature 527, 7577
ケージ状構造に組織化された分子からなる本質的に多孔性の材料は、使用に適した温度で固体であることが多い。空孔を持つ液化可能な剛直分子が数例報告されているが、液体は必然的に流動してあらゆる空間を埋めてしまうため、そうした分子も永続的な空孔を持つわけではない。今回N Giriたちは、高濃度の修飾されたケージ分子とクラウンエーテル溶媒からなる新種の「多孔性液体」を開発した。このケージ分子と溶媒を組み合わせることによって、埋まっていない状態の永続的な空孔が液相中で得られる。著者たちは、この自由流動性の多孔性液体が、メタンガスを非多孔性液体よりも高い効率で可溶化できることを示している。多孔性液体は、触媒反応、抽出、気体の捕捉と分離などに応用できる可能性がある。
2015年11月12日号の Nature ハイライト
神経科学:不安と恐怖の調節機構
がん:遠隔転移は酸化ストレスによって減少する
分子生物学:BCL11Aエンハンサーの破壊解析
構造生物学:Na+活性化K+チャネルであるSlo2.2の構造
惑星科学:近傍にある岩石質で地球サイズの惑星GJ 1132b
量子物理学:離れているのにエンタングルした中性原子
量子物理学:反強磁性体の異常性に見られる異常
材料化学:液体なのに多孔性の材料
地球力学:最初の沈み込み帯
経済学:気候温暖化のコスト
DNA:DNA損傷部位での正電荷の役割