Nature ハイライト
化学生物学:オーファンGPCRのリガンドを探す
Nature 527, 7579
ヒトゲノムには、内在性リガントが不明の「オーファン」な非嗅覚Gタンパク質共役受容体(GPCR)が少なくとも120種類ある。今回B Rothたちは、酵母を使ったスクリーニング法を用いて、ベンゾジアゼピン系薬ロラゼパムが、既知の低分子モジュレーターがまだないプロトン受容体GPR68の非選択的な正のアロステリックモジュレーターであることを明らかにした。さらに、相同性モデリングと310万分子種の分子ドッキングにより、GPR68の強力なモジュレーターとして新規化合物「ogerin」が見つかった。ogerinは、野生型マウスで恐怖条件付け後に記憶の想起を抑制した。この研究で使用した、物理学的スクリーニングと構造に基づくスクリーニングを併用する手法は、他のGPCRの選択的リガンドを見つけるための一般的手段として使える可能性がある。
2015年11月26日号の Nature ハイライト
ゲノミクス:ギボシムシとそれに近縁な多くの動物群
幹細胞:脾臓の造血ニッチの特徴が明らかに
がん:転移にEMTは必要でない
化学生物学:オーファンGPCRのリガンドを探す
惑星科学:月の傾斜角が説明された
画像化技術:血管の超解像イメージング
材料化学:金属有機構造体における不均一なガス吸着
神経科学:味覚を解析
神経科学:温度リズムが体内時計を調整する
微生物学:真菌病原体を引き寄せる植物の性フェロモン