Nature ハイライト
材料化学:金属有機構造体における不均一なガス吸着
Nature 527, 7579
多孔性材料は、クリーンエネルギーや触媒反応などの応用分野において、気体の吸着に広く用いられている。今回、寺崎治(スウェーデン・ストックホルム大学ほか)たちは、多孔性の金属有機構造体(MOF)、具体的にはメソ多孔性MOF-74シリーズの5種類に気体(Ar、CO2、N2)が吸着する過程を、X線小角散乱法を用いて可視化している。得られたデータから、構造体中に「過剰吸着ドメイン」が生成され、それらが超格子を形成できるように細孔ネットワーク中で集団的な吸着質–吸着質相互作用が生じた後、吸着質がより均一に分布するようになることが明らかになった。こうした超格子構造は、確率過程として細孔が充填されるという一般的見解と整合させることが難しい。
2015年11月26日号の Nature ハイライト
ゲノミクス:ギボシムシとそれに近縁な多くの動物群
幹細胞:脾臓の造血ニッチの特徴が明らかに
がん:転移にEMTは必要でない
化学生物学:オーファンGPCRのリガンドを探す
惑星科学:月の傾斜角が説明された
画像化技術:血管の超解像イメージング
材料化学:金属有機構造体における不均一なガス吸着
神経科学:味覚を解析
神経科学:温度リズムが体内時計を調整する
微生物学:真菌病原体を引き寄せる植物の性フェロモン