Nature ハイライト
量子物理学:エンタングルメントと真剣に取り組む
Nature 528, 7580
エンタングルメントでは、物理的に離れた粒子が、1つのものとしてふるまい、完全に記述できる。これは、系の量子性を測るおそらく最も重要な尺度であるが、その直接測定は難しい。これまでに提案されている方法の大半は、極低温量子気体のような人工量子系においてエンタングルメントを測定しており、トモグラフィーによる量子状態の再構築が必要で、局在系に限定されている。今回、飛び回る粒子で構成される非局在系のエンタングルメントを直接調べる方法が見いだされた。著者たちは、ルビジウム原子からなる多体量子状態の同一な複製を2つ用意した後、これらを干渉させた。そして、特殊な量子気体顕微鏡を用いることで、この系のエンタングルメントの特性尺度であるエンタングルメントエントロピーと直接関連する特性を観測できた。エンタングルメントエントロピーを測定するこの新しい方法は、エンタングルメントやエンタングルメントエントロピーに関連する他の特性にも適用できる可能性がある。
2015年12月3日号の Nature ハイライト
量子物理学:エンタングルメントと真剣に取り組む
がん:がん細胞株の体系的比較
生態学:海洋生態系の温度バイアス
がん:腫瘍を治療薬から守る細管ネットワーク
システム生物学:酸素存在下での発酵は正常な現象である
核物理学:アルファ–アルファ散乱を計算する方法
気候変動生態学:干ばつに襲われた高木を死に追いやる水輸送の機能低下
神経科学:発達障害治療に新たな光
代謝疾患:脂肪中の制御性T細胞のインスリン抵抗性における有害な役割
遺伝学:状況に応じる転写因子