Nature ハイライト
神経科学:発達障害治療に新たな光
Nature 528, 7580
MECP2重複症候群は、MECP2遺伝子の重複によりMeCP2タンパク質レベルが上昇することで引き起こされる小児疾患である。今回H Zoghbiたちは、MECP2レベルの遺伝的修正により、トランスジェニックマウスモデルの行動異常、分子レベルの異常、生理的異常が大きく改善されることを報告している。治療への応用により大きな可能性を持つアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)戦略を用いてMECP2レベルを低下させた場合も、成体のトランスジェニックマウスで同様の表現型の救済が起こり、MECP2重複の見られる患者由来の細胞では投与量依存的にMECP2レベルが修正された。これらの知見は、コピー数変動に起因する疾患の中には、症状が現れた後でも回復可能なものがあることを示唆している。
2015年12月3日号の Nature ハイライト
量子物理学:エンタングルメントと真剣に取り組む
がん:がん細胞株の体系的比較
生態学:海洋生態系の温度バイアス
がん:腫瘍を治療薬から守る細管ネットワーク
システム生物学:酸素存在下での発酵は正常な現象である
核物理学:アルファ–アルファ散乱を計算する方法
気候変動生態学:干ばつに襲われた高木を死に追いやる水輸送の機能低下
神経科学:発達障害治療に新たな光
代謝疾患:脂肪中の制御性T細胞のインスリン抵抗性における有害な役割
遺伝学:状況に応じる転写因子