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生態学:海洋生態系の温度バイアス

Nature 528, 7580

西オーストラリア・アブロリューシュ諸島のサンゴ礁。この海域は亜熱帯だが、生息しているのは主に温帯種や熱帯種であり、真に亜熱帯に特化した種は比較的少ない。
西オーストラリア・アブロリューシュ諸島のサンゴ礁。この海域は亜熱帯だが、生息しているのは主に温帯種や熱帯種であり、真に亜熱帯に特化した種は比較的少ない。 | 拡大する

Credit: Jemina Stuart-Smith

気候変動に対する生態系の感受性は、生物種が現在経験している温度もしくは経験していると見られる温度よりも高温または低温を好むかどうかに依存する。今回、世界の生態地域81か所の浅海性サンゴ礁に生息する魚類および無脊椎動物について標準化された調査結果の分析が行われ、既存のサンゴ礁群集では現在の温度と群集内の種の温度ニッチとの間に完全な一致が認められないことが明らかになった。海洋群集は、局所の平均海水温よりも高温または低温を好む種に優占されている場合が多いのである。こうした温度バイアスは、予測される局所的な種消失に対して、温暖化速度の空間的変動よりも大きく関わってくる。今回のデータは、夏季の平均海面水温が約24°Cの海域が、概して群集の変化の影響を最も受けやすいことを示している。

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