Nature ハイライト

神経科学:光遺伝学による交絡の影響

Nature 528, 7582

光遺伝学は、遺伝学的に明確に規定された神経回路が特定の行動の実行にどのような機能を果たしているのかを探るための特異的な手段として発達し、神経科学において近年目覚ましく成長した分野である。しかし、光遺伝学を使った研究の多くは、神経回路の操作が、それより下流にあって独立に別の機能を果たしている他の回路に間接的な影響を及ぼす可能性を考慮していない。今回B Ölveczkyたちは、哺乳類と鳴禽類で特定の回路を一時的に不活性化すると、課題特異的な応答が強く障害される仕組みを明らかにした。この応答は本来、同じ脳領域を永続的に損傷した場合は自然に回復する。この結果は、一時的な回路操作による行動変化のデータを解釈する際には、さらなる検討が必要なことを示唆している。

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