Nature ハイライト

微生物学:酸化的損傷の新規な修復系

Nature 528, 7582

今回F Barrasたちが、細菌細胞外被中のペリプラズムタンパク質で酸化的損傷を受けたメチオニン、つまりメチオニンスルホキシド(Met-O)を含むものを幅広く修復する酵素系MsrPQの存在を明らかにしている。細菌細胞外被は、宿主の防御機構による酸化的損傷を特に受けやすい区画である。MsrPとMsrQはグラム陰性菌に広く存在し、好中球が放出する強力な抗菌物質である次亜塩素酸にさらされると発現される。MsrPQ修復系は従来知られているメチオニンスルホキシド還元酵素とは機能的に別もので、立体特異性を示さず、Met-OのR-およびS-ジアステレオマーを両方とも還元できる。また、MsrPQ系は還元力として呼吸鎖由来の電子を使うという、全く新しい作用機構を持つことも分かり、代謝と細胞の完全性との間のこれまで知られていなかった関連が明らかになった。

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