Nature ハイライト

素粒子物理学:さらに精度の上がった反水素の電荷中性性

Nature 529, 7586

物理学における現在の最も難解な問題の1つは、宇宙において物質が反物質よりもはるかに多く見られるのはなぜかというものである。反物質の性質を調べれば、この不均衡が生じる理由のヒントが得られるかもしれない。素粒子物理学の標準模型によると、反水素の電荷は中性のはずだが、反物質を生成してその性質を測定するのが難しいため、これを実験的に検証するのは困難である。今回CERNのALPHA Collaborationのチームが、反水素の電荷を測定し、これまでより20倍高い精度で、電荷が中性であることを確かめた。反陽子の電荷も同程度の精度で分かっているので、この結果から陽電子の電荷異常の限界も改善される。

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