Nature ハイライト
電池技術:超酸化リチウムを利用した電池
Nature 529, 7586
非水系リチウム–酸素(Li–O2)電池の理論的な質量エネルギー密度は、従来のリチウムイオン電池と比較してはるかに高いため、長距離電気自動車を実現させる可能性がある。最近、超酸化ナトリウムや超酸化カリウムを利用した電池が報告されたが、熱力学的に不安定な超酸化リチウム(LiO2)は、エネルギー密度を高くできる可能性はあるものの、より扱いにくいことが分かっている。今回、適切なカソード材料、すなわちイリジウムナノ粒子で修飾した還元グラフェン酸化物を用いることによって、Li–O2電池内でLiO2結晶を安定化できることが実証されている。この新しいリチウム–酸素化学を利用した電池は、故障するまで40サイクルにわたって動作することが実証され、高い効率と十分な容量が実現された。
2016年1月21日号の Nature ハイライト
神経科学:網膜神経節細胞には多数の種類がある
がん:再発性腫瘍の治療
生物工学:タンパク質翻訳を改善する
素粒子物理学:さらに精度の上がった反水素の電荷中性性
電池技術:超酸化リチウムを利用した電池
生態学:草原の生産力と多様性
発生生物学:生殖細胞におけるNanogの役割
細胞生物学:エンドソームからの搬出の際に起こるホスホイノシチドの転換反応
がん:BET阻害剤への耐性が生じる経路を探る