Nature ハイライト
老化:老化細胞の有害な影響
Nature 530, 7589
老化細胞は、正常な加齢の間にさまざまな組織や器官で次第に増えていくが、このような細胞が健康や寿命に影響を及ぼすのかどうか、及ぼすとすればどのようにして影響するのかは分かっていない。今回J van Deursenたちは、成体期にたまった老化細胞は寿命に負の影響を与え、複数の器官で年齢に依存する変化を促進することを示している。老化した細胞を取り除くと腫瘍発生が遅くなり、また複数の器官で年齢に関連する機能低下が軽減され、明らかな副作用は見られなかった。この結果は、老化細胞を取り除く治療が健康寿命を延ばすことができる可能性を示唆している。
2016年2月11日号の Nature ハイライト
進化生物学:「種分化遺伝子」Prdm9の作用機構
神経科学:統合失調症の遺伝学
老化:老化細胞の有害な影響
素粒子物理学:衝突型加速器に向けて進歩するレーザー加速器
X線結晶学:不完全な結晶の構造決定
古生物学:初期のゴリラ系統に関する見直し
神経科学:オピエート依存に関与する神経回路
幹細胞:造血幹細胞ニッチの特徴付け
ウイルス感染:エボラウイルスのゲノムサーベイランス
構造生物学:Gタンパク質共役受容体の柔軟性