Nature ハイライト

古生物学:初期のゴリラ系統に関する見直し

Nature 530, 7589

エチオピア・アファール地溝帯南縁部のチョローラ累層は、約1050万年前の化石を産すると考えられてきた。2007年に諏訪元(東京大学)たちは、チョローラ累層からゴリラの化石近縁種を発見したことを報告した。このチョローラピテクス・アビシニクス(Chororapithecus abyssinicus)は、層序年代から1050万~1000万年前のものと考えられ、またその特徴からゴリラのクレードの基部に位置する種と見なされた。諏訪たちは今回、新たな野外観察や、地球化学、地磁気層序学および放射性同位体のデータを示し、チョローラ累層の年代を約800万年前へと大幅に修正している。これによりチョローラピテクスの年代は、ユーラシアに類人猿が広く生息していた年代から、化石類人猿の証拠が乏しい年代へと引き上げられる。チョローラピテクスのゴリラ系統への帰属は、ヒト族およびチンパンジーにつながる系統とゴリラとの分岐年代の絞り込みに役立ち、また、この分岐がアフリカで起こったことを示唆するため、一層重要だと思われる。

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