Nature ハイライト
神経科学:統合失調症の遺伝学
Nature 530, 7589
統合失調症で見つかっている最も強い遺伝学的関連性は、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)遺伝子座位の各所に存在する遺伝学的マーカーとの関連性である。これについてはNatureで2009年に掲載された3報の論文で初めて報告されたが、このMHCに見られる関連性シグナルは非常に複雑である。今回S McCarrollたちは、統合失調症とMHCの関連性を詳細に分析して報告している。その結果から、補体成分4(C4)遺伝子の構造的に多様な多数の対立遺伝子がこの関連性に強く関与していることが明らかになった。統合失調症の患者および非患者の成人死後脳組織で測定したところ、その関連性はC4Aの発現増加を促進するC4対立遺伝子でより強かった。著者たちは、C4はシナプスの剪定を促進する古典的な補体カスケードの他の構成要素と共に働く可能性を示唆し、マウスモデルでC4がシナプス整備に関与することを示している。
2016年2月11日号の Nature ハイライト
進化生物学:「種分化遺伝子」Prdm9の作用機構
神経科学:統合失調症の遺伝学
老化:老化細胞の有害な影響
素粒子物理学:衝突型加速器に向けて進歩するレーザー加速器
X線結晶学:不完全な結晶の構造決定
古生物学:初期のゴリラ系統に関する見直し
神経科学:オピエート依存に関与する神経回路
幹細胞:造血幹細胞ニッチの特徴付け
ウイルス感染:エボラウイルスのゲノムサーベイランス
構造生物学:Gタンパク質共役受容体の柔軟性