Nature ハイライト
素粒子物理学:衝突型加速器に向けて進歩するレーザー加速器
Nature 530, 7589
素粒子物理学で使われる衝突型加速器は、一連の加速モジュールを通して高エネルギー電子ビームを生成するもので、その長さは通常、数キロメートルにもなる。レーザープラズマ加速器は、レーザーパルスがプラズマ中に波動を励起し、次にこの波動が注入電子を加速するもので、はるかに小型の装置で同様の結果が得られる可能性がある。しかし、単段では、離調(dephasing)などの効果によって電子のエネルギー利得が制限されるため、複数のレーザープラズマ加速段を結合するのが長年の目標であった。今回の研究では、第一モジュールで発生した電子ビームを、独立に制御したレーザーパルスによってエネルギーを得た第二モジュールへ注入するという、2段のレーザープラズマ加速器が原理的に可能であることを実証した結果が報告されている。
2016年2月11日号の Nature ハイライト
進化生物学:「種分化遺伝子」Prdm9の作用機構
神経科学:統合失調症の遺伝学
老化:老化細胞の有害な影響
素粒子物理学:衝突型加速器に向けて進歩するレーザー加速器
X線結晶学:不完全な結晶の構造決定
古生物学:初期のゴリラ系統に関する見直し
神経科学:オピエート依存に関与する神経回路
幹細胞:造血幹細胞ニッチの特徴付け
ウイルス感染:エボラウイルスのゲノムサーベイランス
構造生物学:Gタンパク質共役受容体の柔軟性