Nature ハイライト

素粒子物理学:衝突型加速器に向けて進歩するレーザー加速器

Nature 530, 7589

素粒子物理学で使われる衝突型加速器は、一連の加速モジュールを通して高エネルギー電子ビームを生成するもので、その長さは通常、数キロメートルにもなる。レーザープラズマ加速器は、レーザーパルスがプラズマ中に波動を励起し、次にこの波動が注入電子を加速するもので、はるかに小型の装置で同様の結果が得られる可能性がある。しかし、単段では、離調(dephasing)などの効果によって電子のエネルギー利得が制限されるため、複数のレーザープラズマ加速段を結合するのが長年の目標であった。今回の研究では、第一モジュールで発生した電子ビームを、独立に制御したレーザーパルスによってエネルギーを得た第二モジュールへ注入するという、2段のレーザープラズマ加速器が原理的に可能であることを実証した結果が報告されている。

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