Nature ハイライト

構造生物学:Gタンパク質共役受容体の柔軟性

Nature 530, 7589

Gタンパク質共役受容体(GPCR)は多くの生物過程に関わる膜タンパク質で、重要な薬剤標的である。ここ数年間でGPCRのX線結晶構造はいくつか報告されているが、それに比べるとコンホメーションの動的変化について分かっていることは少ない。今回、シチメンチョウのβ1アドレナリン受容体について、アンタゴニスト、部分アゴニスト、完全アゴニストの存在下で起こるコンホメーション変化がNMR分光法を使って調べられた。複数のアロステリックシグナル伝達経路が明らかにされ、このGPCRにアゴニストが結合すると、1本の重要な膜貫通ヘリックスが曲がり始めて、2011年に報告されたβ2アドレナリン受容体/Gタンパク質複合体の結晶構造で観察された「活性型」のコンホメーションに近づいて行くことが突き止められた。

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