Nature ハイライト
Cover Story:特集:どちらを向いてもCRISPRばかり:遺伝子編集時代の夜明け
Nature 531, 7593
CRISPR–Cas9という遺伝子編集技術の開発は分子生物学に大きな変革をもたらした。この技術はウイルスや細菌、動植物のゲノム改変に使われ、ゲノム編成の謎の解明や疾患との闘い、作物の改良、「デザイナーペット」の作製など、さまざまな分野で機能を発揮する可能性がある。しかし、CRISPR–Cas9遺伝子編集技術がヒト胚のゲノムを改変するのに使われたことが公表されて事態は複雑化し、こうした全ての可能性が、規制機関が対処しなくてはならない手強い倫理的問題を提示することになった。今週号の特集では、CRISPR–Cas9の現状を概観した上で、「遺伝子編集が行われた世界がどのようなものであることを望むのか」という疑問を投げ掛けている。(Introduction)
2016年3月10日号の Nature ハイライト
学習と記憶:自分の位置を知る
細胞生物学:監視機構の障害でタンパク質毒性が生じる
構造生物学:2孔型チャネルAtTPC1の性質を調べる
超伝導体:マヨラナモードがより現実的に
有機化学:化学品の原料としての二酸化炭素
気候変動生態学:気候に敏感な生態系が特定された
分子進化学:有性生殖は自然選択の効率を高める
再生:アホロートルの肢再生シグナル
植物科学:LURE1を追いかける多数の花粉管受容体
がん:肝疾患と肝臓がんを結び付ける