Nature ハイライト
気候変動生態学:気候に敏感な生態系が特定された
Nature 531, 7593
気候変動研究における重要な課題の1つは、気候変動に対する感受性が最も高い生態系をどのようにして特定するかである。今回、2000年2月~2013年12月に収集されたMODIS衛星データを利用して、「植生感受性指数(vegetation sensitivity index)」という新しい指標が開発された。これは、気温、利用可能な水の量および雲量という3つの重要な気候変数からなる外部強制力に対する生態系の応答を評価する指標であり、これを利用すれば、生態系の復元力の状態を全球規模で高い空間分解能で捉えることができる。気候変動に対する感受性が増幅されている地域は、北極ツンドラ、北方林帯の一部、熱帯雨林、高山地域、中央アジアと南北アメリカのステップおよびプレーリー地域、南アメリカ東部のカーティンガ落葉樹林、オーストラリアの東部地域に認められた。
2016年3月10日号の Nature ハイライト
学習と記憶:自分の位置を知る
細胞生物学:監視機構の障害でタンパク質毒性が生じる
構造生物学:2孔型チャネルAtTPC1の性質を調べる
超伝導体:マヨラナモードがより現実的に
有機化学:化学品の原料としての二酸化炭素
気候変動生態学:気候に敏感な生態系が特定された
分子進化学:有性生殖は自然選択の効率を高める
再生:アホロートルの肢再生シグナル
植物科学:LURE1を追いかける多数の花粉管受容体
がん:肝疾患と肝臓がんを結び付ける