Nature ハイライト
再生:アホロートルの肢再生シグナル
Nature 531, 7593
メキシコサンショウウオ(Ambystoma mexicanum;別名アホロートル)は、体の失われた部位を再生する能力が著しく高い。神経由来のシグナルに応答する再生芽の形成に先行する最初の増殖応答を誘導するシグナルの性質は分かっていない。今回E Tanakaたちは、分泌タンパク質であるMARCKS様タンパク質(MLP)が、創傷後に最初の細胞周期応答を誘導し、外肢再生に必要であること明らかにした。アホロートルのMLPが細胞外にどのように放出されるのか、そしてその細胞内シグナルの様式についてはまだ解明されていない。MLPのオルソログが他の種でも再生に関連しているのかどうかを調べることは、興味深い課題となるだろう。
2016年3月10日号の Nature ハイライト
学習と記憶:自分の位置を知る
細胞生物学:監視機構の障害でタンパク質毒性が生じる
構造生物学:2孔型チャネルAtTPC1の性質を調べる
超伝導体:マヨラナモードがより現実的に
有機化学:化学品の原料としての二酸化炭素
気候変動生態学:気候に敏感な生態系が特定された
分子進化学:有性生殖は自然選択の効率を高める
再生:アホロートルの肢再生シグナル
植物科学:LURE1を追いかける多数の花粉管受容体
がん:肝疾患と肝臓がんを結び付ける