Nature ハイライト
超伝導体:マヨラナモードがより現実的に
Nature 531, 7593
フェルミオンには、ディラック、ワイル、マヨラナと呼ばれる3つの基本的なタイプが存在することが分かっている。これまで後者の2つは観測されていなかったが、凝縮系においてワイルモードとマヨラナモードの存在を示す証拠が最近見つかった。特に、マヨラナモードの特徴が半導体–超伝導体ナノワイヤーデバイスで見いだされ、自明でないトポロジカル特性が予測されたことから、大きな関心を呼んだ。C Marcusたちは今回、そうしたデバイスにマヨラナモードが確かに存在することを示すのに不可欠な、もう1つの証拠について報告している。すなわち、ナノワイヤーが長くなるとともにエネルギー分裂が小さくなるという形で、マヨラナモードが指数関数的に保護されることを示した。今回の観測結果から、マヨラナモードを制御し、トポロジカル特性を明らかにする次の段階への道が開かれる。
2016年3月10日号の Nature ハイライト
学習と記憶:自分の位置を知る
細胞生物学:監視機構の障害でタンパク質毒性が生じる
構造生物学:2孔型チャネルAtTPC1の性質を調べる
超伝導体:マヨラナモードがより現実的に
有機化学:化学品の原料としての二酸化炭素
気候変動生態学:気候に敏感な生態系が特定された
分子進化学:有性生殖は自然選択の効率を高める
再生:アホロートルの肢再生シグナル
植物科学:LURE1を追いかける多数の花粉管受容体
がん:肝疾患と肝臓がんを結び付ける