Nature ハイライト
再生:アストロサイト瘢痕は軸索の再成長を促進する
Nature 532, 7598
中枢神経系(CNS)の損傷後に形成されるアストロサイト瘢痕は、その後の軸索再成長の主要な障害だと広く考えられている。しかし今回M Sofroniewたちは、この瘢痕形成を制限すると実際には軸索再成長が減少することを明らかにした。脊髄損傷部位に、通常は存在しない軸索特異的成長因子を継続的に供給すると、安定した再成長が可能となるが、これはアストロサイト瘢痕が存在している場合に限られる。以上の結果は、広く受け入れられている定説への疑問を提起するものであり、アストロサイト瘢痕の形成はCNS損傷後の軸索再生を抑制するのではなく促進することを示唆している。
2016年4月14日号の Nature ハイライト
物性物理学:砂時計フェルミオンの展望
再生:アストロサイト瘢痕は軸索の再成長を促進する
再生:組織再生エンハンサーが見つかった
量子物理学:市民の力で量子物理学の問題を解く
地球化学:気候と地形
人類学:先史時代の南米の人口動態史
神経科学:夜の色覚
皮膚がん:加齢ががんのプログレッションに及ぼす影響
がんの代謝:細胞外マトリックスから脱落したがん細胞が増殖し続ける仕組み
がんゲノミクス:がんの活性なプロモーターでの変異率