Nature ハイライト

神経科学:夜の色覚

Nature 532, 7598

低い光量に感受性を示す桿体細胞は全て同一の視物質を持つため、色覚は網膜中にあって明るい光の下で活動する錐体細胞からのシグナルの比較に依存していると考えられてきた。しかし今回、M JoeschとM Meisterは、マウス網膜神経節細胞(J-RGC)内の遺伝学的標識付けした一群が、紫外線に対して生じる錐体からのOFF応答と、緑色光に対して完全に桿体だけで発生するON応答とを統合していることを明らかにしている。著者たちは、これまで知られていなかったこの色覚回路はマウスが同種のマウスの付けた尿マーキングを夜間に見つけやすいようにしているのだろうと考えていて、ヒトにも同じような回路があるとすれば我々が薄明時、つまり薄暗い時や、夜の景色を見る際に経験する青色方向への顕著なずれを説明できると論じている。

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