Nature ハイライト
学習と記憶:次の行動を準備する皮質ネットワーク
Nature 532, 7600
大脳皮質の持続的で準備的な神経活動は、作業記憶や運動企図の基盤であるが、それを生み出す機構はよく分かっていない。こうした活動を示すネットワークモデルは外的擾乱に弱い。今回、K Svobodaたちは、マウス運動前野で、次に行う運動の方向を予測する準備活動は、片半球への擾乱に対しては極めてロバストだが、両半球に擾乱を加えると崩れることをin vivoで示した。運動準備活動の回復には、擾乱を受けていない反対側の運動前野からの入力が必要である。この知見と一致して、ネットワークのモデル化により、相互に結合したモジュール間の冗長性がネットワークをロバストにすることが示された。この原理は、他の皮質ネットワークにも適用できる可能性があり、光遺伝学実験の結果の解釈にも関係してくるだろう。
2016年4月28日号の Nature ハイライト
学習と記憶:次の行動を準備する皮質ネットワーク
海洋微生物学:炭素フラックスに関わる海洋プランクトン
光物理学:不確実になる時間がない
材料:ナノクラック・コーティングで重要な膜の水分を維持する
古生物学:米国イリノイ州の「タリーモンスター」の新解釈
生物海洋学:リザリアが海洋生態学の主役に浮上
免疫学:微生物たっぷりの「汚れた」マウスの方がより良い免疫学的モデルとなる?
遺伝子工学:CRISPR免疫で機能するCpf1酵素