Nature ハイライト
光物理学:不確実になる時間がない
Nature 532, 7600
氷床コアから気象史を再構築したり、X線自由電子レーザー(XFEL)実験から超高速ダイナミクスを再構築したりする際、タイムスタンプが不確かだと、事象の順序が混乱し、動的情報の正確な回復が難しくなることがある。今回、この問題を回避できるデータ解析手法が報告されている。この手法は非線形ラプラシアンのスペクトル解析に基づいていて、タイミング不確実性があっても、ノイズの多いデータから動的情報を抽出できる。著者たちは、タイミング不確実性が300フェムト秒のXFELデータを使って、数フェムト秒のダイナミクスを再構築できることを実証している。原理的には、この方法は、タイミング不確実性に悩まされる測定結果の全てに有効な可能性があるため、地球科学から重力物理学にまで適用できると思われる。
2016年4月28日号の Nature ハイライト
学習と記憶:次の行動を準備する皮質ネットワーク
海洋微生物学:炭素フラックスに関わる海洋プランクトン
光物理学:不確実になる時間がない
材料:ナノクラック・コーティングで重要な膜の水分を維持する
古生物学:米国イリノイ州の「タリーモンスター」の新解釈
生物海洋学:リザリアが海洋生態学の主役に浮上
免疫学:微生物たっぷりの「汚れた」マウスの方がより良い免疫学的モデルとなる?
遺伝子工学:CRISPR免疫で機能するCpf1酵素