Nature ハイライト
生物工学:二本鎖切断をしないDNA編集
Nature 533, 7603
CRISPR/Cas技術はゲノム編集に広く用いられているが、標的DNA塩基配列の二本鎖切断を伴う。この手法を単一ヌクレオチドの改変に用いる場合、しばしばDNAの挿入や欠失(インデル)が起こる。今回、D Liuたちは、このような意図しない変異を回避する方法として、DNA切断を必要としない手法を報告している。この「塩基編集」法では、CRISPR/Cas9とAPOBEC1デアミナーゼからなる合成酵素を用いることで、直接CをT(あるいはGをA)に変換する。また彼らは、望ましい修正が起こる割合を増加させ、インデル形成を著しく抑制する改良についても報告している。
2016年5月19日号の Nature ハイライト
がんゲノミクス:がん細胞株の再評価
抗生物質:新規マクロライド系抗生物質に向けて
構造生物学:遺伝子転写開始の構造基盤
宇宙物理学:降着を受けている白色矮星連星系
生物地理学:深海の生物多様性を捉える
神経科学:報酬探索行動の選択と調節
再生生物学:サンショウウオの肢の前方–後方シグナル
内分泌学:ニューロテンシンは肥満の要因である
生物工学:二本鎖切断をしないDNA編集
ウイルス学:ジカウイルスが手ごわい理由