Nature ハイライト

構造生物学:光合成複合体中でのエネルギー移動

Nature 534, 7605

光合成を行っている細胞内では、集光性複合体(LHC)と光化学系(PS)複合体の中で、光が使いやすい形のエネルギーへと変換される。この過程を解明するには、励起エネルギーが周辺集光装置のLHCアンテナ色素タンパク質からコアPS構造へと移動する仕組みを知らなくてはならない。Z Liuたちは今回、1.1メガダルトンの植物PSII–LHCII超複合体の高分解能構造を、単粒子低温電子顕微鏡法を使って決定した。この構造から、ホモ二量体である超複合体を構成している単量体はそれぞれ、25個のタンパク質と133個の色素補因子を含むことが分かった。今回の構造とシアノバクテリアの以前に報告されたPSII構造とを比較すると多少の違いが見られるが、最も重要なのはPSII–LHCII界面を調べられるようになったために、励起エネルギー移動経路に関する確かな予測ができることである。

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