Nature ハイライト

Cover Story:予想を裏切る結果から学ぶ:サンゴ礁のブライトスポットは保全の道しるべとなる

Nature 535, 7612

パプアニューギニアのサンゴ礁で行われている伝統的な漁の様子。
パプアニューギニアのサンゴ礁で行われている伝統的な漁の様子。 | 拡大する

Credit: Tane Sinclair-Taylor

表紙は、パプアニューギニアのキンベ湾の小島を取り囲むサンゴ礁。サンゴ礁生態系は多くの人々に財とサービスを提供しているが、サンゴ礁の健全性は世界中で低下しつつある。サンゴ礁生態系の有効な管理には、サンゴ礁の衰退を進める隠れた原因の解明が必要である。J Cinnerたちは今回、生態学と社会科学の間を橋渡しする研究を行い、世界中の2500を超えるサンゴ礁のデータを用いて階層ベイズモデルを構築し、さまざまな社会経済学的動因および環境条件に基づいてサンゴ礁魚類のバイオマスを予測した。その結果、サンゴ礁のバイオマスが予測を大きく上回る「ブライトスポット」が15か所見つかった。これらは、遠く離れて手付かずの状態にある代表的な場所ばかりではなく、強力な社会文化的制度および地域住民の高度な関与がある場所でも見つかった。この分析結果に基づいて研究チームは、サンゴ礁保全活動は、手付かずの遠隔地を探し出して保護することから転じて、サンゴ礁の危機とうまく対峙してきた場所から解決法候補を見つけ出すことにもっと目を向けるべきだと論じている。

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