Nature ハイライト
マイクロバイオーム:腸内細菌と宿主のインスリン感受性
Nature 535, 7612
今回、腸内細菌のメタボロームとインスリン抵抗性との関連が調べられ、インスリン抵抗性が見られる個体ではリポ多糖と分枝アミノ酸(BCAA)の生合成能が上昇していることが明らかになった。このことは、ディスバイオーシス、すなわち腸内細菌相のバランス異常により誘導される血清メタボロームの変化が糖尿病発症に関わっていることを示唆している。腸内細菌の機能とインスリン抵抗性の間の正の相関は、その大部分が少数の細菌種、特にPrevotella copriとBacteroides vulgatusによるものであることが分かった。マウスにP. copriを投与すると、BCAAの循環血清レベルが上昇し耐糖能障害が悪化した。
2016年7月21日号の Nature ハイライト
神経科学:霊長類の脳における遺伝子発現
マイクロバイオーム:腸内細菌と宿主のインスリン感受性
がん治療:BRCA欠損がんで化学療法抵抗性が生じる新規な機構
材料科学:予想に反した電子対形成
気候科学:南極半島の気候における極端な自然変動
神経科学:恐怖を作り出す時間と場所
細胞生物学:膵臓β細胞の成熟マーカー
マイクロバイオーム:ヒトマイクロバイオーム内の可動性細菌遺伝子
免疫学:腸のこれまで知られていなかった防御機構