Nature ハイライト
がん治療:BRCA欠損がんで化学療法抵抗性が生じる新規な機構
Nature 535, 7612
乳がん感受性遺伝子のBRCA1およびBRCA2は、DNA損傷からゲノムを保護する機能がある。そのため、臨床ではBRCA欠損がんの治療にDNA損傷薬が使われている。しかし、この治療法は有効期間が短いことがあり、多くのがんで治療抵抗性が生じる。A Nussenzweigたちは今回、細胞が薬剤耐性になるのはPTIPタンパク質が失われたためであることを明らかにしている。PTIPが存在しないと、DNA複製過程で立ち往生している複製フォークが分解から保護され、細胞が生存できるようになる。この研究は、がん治療に対する抵抗性を生じさせる、これまで知られていなかった機構を明確に示したものだ。
2016年7月21日号の Nature ハイライト
神経科学:霊長類の脳における遺伝子発現
マイクロバイオーム:腸内細菌と宿主のインスリン感受性
がん治療:BRCA欠損がんで化学療法抵抗性が生じる新規な機構
材料科学:予想に反した電子対形成
気候科学:南極半島の気候における極端な自然変動
神経科学:恐怖を作り出す時間と場所
細胞生物学:膵臓β細胞の成熟マーカー
マイクロバイオーム:ヒトマイクロバイオーム内の可動性細菌遺伝子
免疫学:腸のこれまで知られていなかった防御機構