Nature ハイライト

微生物学:SAR11細菌の無酸素なニッチ

Nature 536, 7615

世界の海洋で最も数の多い微生物群であるSAR11細菌は、増殖するのに酸素が必要だと考えられているが、酸素濃度が低い水塊にも豊富に存在している。今回F Stewartたちは、海洋の酸素極小層に豊富に存在する一部のSAR11細菌集団が、この層の微好気的/嫌気的条件に適応しており、脱窒の第1段階を行う呼吸系の硝酸レダクターゼの遺伝子を多数コードしていることを明らかにした。これらの結果は、地球で最も数の多い生物群の生態的地位の見直しを迫るものであり、SAR11細菌が酸素極小層での窒素損失に大きく関与していることを示唆している。

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