Nature ハイライト
微生物学:SAR11細菌の無酸素なニッチ
Nature 536, 7615
世界の海洋で最も数の多い微生物群であるSAR11細菌は、増殖するのに酸素が必要だと考えられているが、酸素濃度が低い水塊にも豊富に存在している。今回F Stewartたちは、海洋の酸素極小層に豊富に存在する一部のSAR11細菌集団が、この層の微好気的/嫌気的条件に適応しており、脱窒の第1段階を行う呼吸系の硝酸レダクターゼの遺伝子を多数コードしていることを明らかにした。これらの結果は、地球で最も数の多い生物群の生態的地位の見直しを迫るものであり、SAR11細菌が酸素極小層での窒素損失に大きく関与していることを示唆している。
2016年8月11日号の Nature ハイライト
材料科学:混合伝導体における超高速イオン拡散
実験進化:細菌の進化をウォッチング
微生物学:SAR11細菌の無酸素なニッチ
細胞生物学:プロテアソームを制御する
ナノスケールデバイス:単一ナノ細孔浸透圧ナノ発電体
進化遺伝学:ある自閉症関連遺伝子の進化史
神経科学:単一シナプスでの分子構成
がん:転移における腫瘍細胞の管外遊出
細胞生物学:シグナル認識粒子の特異性
構造生物学:アルギニンを結合したヒトCASTOR1の構造