Nature ハイライト
細胞生物学:プロテアソームを制御する
Nature 536, 7615
プロテアソームは細胞のタンパク質分解装置で、1つのコア粒子と2つの調節粒子からなる。RACとして知られるシャペロンタンパク質が調節粒子の集合を仲介し、酵母においてストレスの多い状態ではAdc17と呼ばれるもう1つのシャペロンがさらに多くのプロテアソームの産生を助ける。長い間、ストレスがどのようにしてAdc17レベルを増加させるかは明らかになっていなかった。A RousseauとA Bertolottiは今回、酵母と哺乳類において、進化的に保存されたシグナル伝達経路がプロテアソームの恒常性を制御することを報告している。特に、酵母のTORC1タンパク質(哺乳類のmTOR)は、ストレスに対する適応応答として抑制されることが分かった。その結果、下流のシグナル伝達分子(酵母では酵素Mpk1、哺乳類ではErk5)が、RACだけでなくプロテアソームサブユニットの供給も確実に増加させる。
2016年8月11日号の Nature ハイライト
材料科学:混合伝導体における超高速イオン拡散
実験進化:細菌の進化をウォッチング
微生物学:SAR11細菌の無酸素なニッチ
細胞生物学:プロテアソームを制御する
ナノスケールデバイス:単一ナノ細孔浸透圧ナノ発電体
進化遺伝学:ある自閉症関連遺伝子の進化史
神経科学:単一シナプスでの分子構成
がん:転移における腫瘍細胞の管外遊出
細胞生物学:シグナル認識粒子の特異性
構造生物学:アルギニンを結合したヒトCASTOR1の構造