Nature ハイライト
神経科学:単一シナプスでの分子構成
Nature 536, 7615
効率的な神経伝達には、シナプス前の小胞放出部位とシナプス後の受容体とが正確にそろっていることが必要だと考えられてきたが、その直接観察は、光学顕微鏡の物理的限界によって妨げられていた。今回T Blanpiedたちは、回折限界を乗り越える超高分解能顕微鏡を用い、単一シナプスで活動電位により誘発される小胞融合が、シナプス前タンパク質のナノクラスター部域に限定されて起こることを明らかにした。このナノクラスターはシナプス後受容体とその足場タンパク質の集中部位に近接して配置されていた。こうして作られる分子的「ナノカラム」は、NMDA受容体依存的可塑性の際に再編成され、著者たちはこのナノカラムがシナプス効率の維持と調節に関わっているのではないかと考えている。
2016年8月11日号の Nature ハイライト
材料科学:混合伝導体における超高速イオン拡散
実験進化:細菌の進化をウォッチング
微生物学:SAR11細菌の無酸素なニッチ
細胞生物学:プロテアソームを制御する
ナノスケールデバイス:単一ナノ細孔浸透圧ナノ発電体
進化遺伝学:ある自閉症関連遺伝子の進化史
神経科学:単一シナプスでの分子構成
がん:転移における腫瘍細胞の管外遊出
細胞生物学:シグナル認識粒子の特異性
構造生物学:アルギニンを結合したヒトCASTOR1の構造