Nature ハイライト

がん:がんを誘導するクローン動態

Nature 536, 7616

最初の発がん事象から浸潤性腫瘍の発生までの「腫瘍イニシエーション」を定量的に解析した結果が、今回報告された。C Blanpainたちは、発がん性ヘッジホッグ(HH)シグナル伝達という同一の変異を、皮膚表皮の異なる種類の細胞集団へ導入し、それらが基底細胞がんを誘導する能力を評価した。その結果、皮膚幹細胞のみが腫瘍を形成することができ、前駆細胞は形成できなかった。この違いは、がん遺伝子の標的になった幹細胞が、自己複製型の対称分裂を増加させ、また、p53依存性アポトーシス耐性を上昇させることができるためである。

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