Nature ハイライト
がん:がんを誘導するクローン動態
Nature 536, 7616
最初の発がん事象から浸潤性腫瘍の発生までの「腫瘍イニシエーション」を定量的に解析した結果が、今回報告された。C Blanpainたちは、発がん性ヘッジホッグ(HH)シグナル伝達という同一の変異を、皮膚表皮の異なる種類の細胞集団へ導入し、それらが基底細胞がんを誘導する能力を評価した。その結果、皮膚幹細胞のみが腫瘍を形成することができ、前駆細胞は形成できなかった。この違いは、がん遺伝子の標的になった幹細胞が、自己複製型の対称分裂を増加させ、また、p53依存性アポトーシス耐性を上昇させることができるためである。
2016年8月18日号の Nature ハイライト
神経科学:ショウジョウバエの睡眠促進細胞
がん:がんを誘導するクローン動態
生化学:PCNAをSUMO化する仕組みの解明
物性物理学:La2−xSxCuO4超伝導の物理
触媒:選択的メタン酸化の機構
行動遺伝学:求愛歌の違いにイオンチャネルが関係
神経科学:睡眠を調節するドーパミン性スイッチ
神経科学:ウィリアムズ症候群のiPSCモデル
発生生物学:マウス胚における初期の細胞選別現象
構造生物学:真核細胞の呼吸を駆動する酵素の構造