Nature ハイライト
構造生物学:真核細胞の呼吸を駆動する酵素の構造
Nature 536, 7616
哺乳類ミトコンドリア電子伝達系の最初に位置する酵素である複合体I(NADH:ユビキノン酸化還元酵素)は、細胞中で最大の膜結合酵素の1つである。今回J Hirstたちは、ウシ呼吸鎖複合体Iの45個のサブユニット全てについて、4.2 Å分解能での単粒子低温電子顕微鏡構造を報告している。これにより、哺乳類複合体Iの最初の全体構造が示され、31個の「補助的」サブユニットの構造的および機能的役割に関する手掛かりが得られ、コンホメーションが動的に変化する複数の領域の存在が明らかになった。これによって、ユビキノンの還元がプロトン輸送と共役する仕組みが説明されるかもしれない。
2016年8月18日号の Nature ハイライト
神経科学:ショウジョウバエの睡眠促進細胞
がん:がんを誘導するクローン動態
生化学:PCNAをSUMO化する仕組みの解明
物性物理学:La2−xSxCuO4超伝導の物理
触媒:選択的メタン酸化の機構
行動遺伝学:求愛歌の違いにイオンチャネルが関係
神経科学:睡眠を調節するドーパミン性スイッチ
神経科学:ウィリアムズ症候群のiPSCモデル
発生生物学:マウス胚における初期の細胞選別現象
構造生物学:真核細胞の呼吸を駆動する酵素の構造