Nature ハイライト
発生生物学:マウス胚における初期の細胞選別現象
Nature 536, 7616
マウスの胚盤胞で細胞がどのように自身を選別して内部細胞塊を形成するのか、また初期発生中の操作に胚がどのように応答するのかは、まだ解明されていない。これまでの研究で、この選別現象には、細胞接着性の違いや頂底軸に沿って方向付けられた細胞分裂が重要であることが示されている。今回J Maîtreたちは、生物物理学的な計測やモデリング、収縮要素の遺伝学的および実験的操作を組み合わせて、マウス初期胚における内部細胞塊の形成を解析した。その結果、細胞の極性化が収縮性の異なる細胞を生み出し、それによって胚の内側もしくは外側の位置への細胞の選別が起こることが示唆された。この収縮力は、細胞運命に影響することが知られている転写調節因子Yapの細胞内局在を制御することが分かっている。
2016年8月18日号の Nature ハイライト
神経科学:ショウジョウバエの睡眠促進細胞
がん:がんを誘導するクローン動態
生化学:PCNAをSUMO化する仕組みの解明
物性物理学:La2−xSxCuO4超伝導の物理
触媒:選択的メタン酸化の機構
行動遺伝学:求愛歌の違いにイオンチャネルが関係
神経科学:睡眠を調節するドーパミン性スイッチ
神経科学:ウィリアムズ症候群のiPSCモデル
発生生物学:マウス胚における初期の細胞選別現象
構造生物学:真核細胞の呼吸を駆動する酵素の構造