Nature ハイライト
Cover Story:いよいよ見えてきた兄弟惑星:太陽に最も近い星であるプロキシマ・ケンタウリを周回している温暖な地球型惑星
Nature 536, 7617
表紙に描かれているのは、ケンタウルス座の恒星プロキシマ・ケンタウリとその惑星プロキシマbである。これまでに得られた観測結果とヨーロッパ南天天文台(ESO)に設置された観測機器から得られた最新のドップラーデータの解析によって、太陽に最も近い恒星であるプロキシマ・ケンタウリの周囲を巡る小型の惑星の存在が、今回明らかになった。プロキシマbと名付けられたこの惑星の最小質量は地球の1.3倍であり、約11.2日の周期で恒星近傍を周回している。その平衡温度は、惑星表面に水が液体で存在することのできる範囲内にあるが、地球が受けるよりも強いX線フラックスが地球上のものとは異なる大気を時間経過とともに作り出してきた可能性があるため、惑星表面の水の現在の組成やその有無は不明である。太陽近傍にある恒星を巡る温暖な地球型惑星が見つかったことで、技術の進歩に伴って、直接撮像や高分解能分光法などによる、より詳細な特徴研究を行う機会が到来しそうだ。
2016年8月25日号の Nature ハイライト
気候科学:工業の発展を示すより早期の気候の特徴
人類学:初期の農耕民はどんな人々だった?
生態学:ウイルスの全球マップ
細胞生物学:有糸分裂調節の基盤
機械工学:自己動力供給型ソフトマシンである「オクトボット」
生態学:生物多様性の重要性を掘り下げる
神経科学:「快適な」暖かさに応答するイオンチャネル
植物科学:ストリゴラクトン受容体は加水分解酵素としての役割も持つ
ウイルス学:ジカウイルスに有効なワクチン
がん:がん細胞を支えるネットワークが解明された
構造生物学:さまざまなGPCRの構造中に存在する共通項