Nature ハイライト
細胞生物学:有糸分裂調節の基盤
Nature 536, 7617
紡錘体形成チェックポイント(SAC)は、細胞分裂に際して染色分体の動原体の不適切な接着を検出し、「後期で待機せよ」というシグナルを発することで染色体の分離を遅らせる監視機構である。SACは有糸分裂チェックポイント複合体(MCC)を介して活性化され、MCCは多量体E3リガーゼである後期促進複合体(APC/C)を抑制する。今回D Barfordたちは、低温電子顕微鏡を用い、APC/C–MCC複合体の構造をほぼ原子レベルの分解能で決定した。この構造から、MCCが基質認識を妨げたり、E3リガーゼ活性を阻害したりすることで、APC/Cと相互作用して抑制する仕組みが明らかになった。
2016年8月25日号の Nature ハイライト
気候科学:工業の発展を示すより早期の気候の特徴
人類学:初期の農耕民はどんな人々だった?
生態学:ウイルスの全球マップ
細胞生物学:有糸分裂調節の基盤
機械工学:自己動力供給型ソフトマシンである「オクトボット」
生態学:生物多様性の重要性を掘り下げる
神経科学:「快適な」暖かさに応答するイオンチャネル
植物科学:ストリゴラクトン受容体は加水分解酵素としての役割も持つ
ウイルス学:ジカウイルスに有効なワクチン
がん:がん細胞を支えるネットワークが解明された
構造生物学:さまざまなGPCRの構造中に存在する共通項