Nature ハイライト
構造生物学:さまざまなGPCRの構造中に存在する共通項
Nature 536, 7617
今回、クラスAのGタンパク質共役受容体(GPCR)27種類の包括的な構造解析によって、受容体の活性化経路は非常に多様であるものの、Gタンパク質結合ポケット近くでは高い類似性が見られることが明らかになった。この類似性は、膜貫通ヘリックス間でのアミノ酸残基の接触状況に生じる構造的再編成が、非常によく保存されていることによっている。さまざまなGPCRが、非常に多様なリガンドによって開始される活性化段階を経ながらも共通のGタンパク質群に結合できる理由が、この知見で説明できるかもしれない。またこの結果は、構造に基づいた創薬のためにGPCRのモデルを作製したり、GPCRを改変したりすることにも関わってくるだろう。
2016年8月25日号の Nature ハイライト
気候科学:工業の発展を示すより早期の気候の特徴
人類学:初期の農耕民はどんな人々だった?
生態学:ウイルスの全球マップ
細胞生物学:有糸分裂調節の基盤
機械工学:自己動力供給型ソフトマシンである「オクトボット」
生態学:生物多様性の重要性を掘り下げる
神経科学:「快適な」暖かさに応答するイオンチャネル
植物科学:ストリゴラクトン受容体は加水分解酵素としての役割も持つ
ウイルス学:ジカウイルスに有効なワクチン
がん:がん細胞を支えるネットワークが解明された
構造生物学:さまざまなGPCRの構造中に存在する共通項