地球化学：地球の地殻とマントルの組成はコンドライト的

今回A BouvierとM Boyetは、カルシウムとアルミニウムに富む難揮発性包有物（CAI）と非平衡エンスタタイト・コンドライトの全岩試料の、サマリウム（Sm）とネオジム（Nd）の安定同位体と放射性同位体の高精度組成を報告している。Nd同位体異常のないCAIは、¹⁴⁶Sm/¹⁴⁴Sm–¹⁴²Nd/¹⁴⁴Nd同位体進化を現在の地球のマントルと共有しており、始原的エンスタタイト・コンドライトの¹⁴²Nd/¹⁴⁴Ndの平均組成は、入手できる地球のケイ酸塩層の組成と一致していることが見いだされた。この関係は、同じ初期存在度の¹⁴²Ndとコンドライト的比率のSmとNdを地球の地殻とマントルが受け継いだ場合にのみ可能となる結果で、地球の地殻とマントルの組成がコンドライト的であることを裏付けており、現在の地球マントルの¹⁴²Nd/¹⁴⁴Nd組成を説明するための、隠れた貯蔵庫の存在や衝突浸食シナリオの必要性が除かれると、著者たちは結論付けている。

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