Nature ハイライト
		
		
        
		
		老化:食餌制限のマウスモデル
Nature 537, 7620
食餌制限は、多くの生物で寿命を延ばし、老化のさまざまな兆候の発現を遅らせる方法としてよく確立されているが、その機序はまだ解明されていない。J Hoeijmakersたちは今回、DNA修復に欠陥があり、ヒトの早老症候群(小児で急速な老化を引き起こす疾患)によく似た症状を示す2種類のマウスモデルで食餌制限を行い、その影響を検証した。どちらのマウスモデルでも、30%の食餌制限によって寿命が著しく延長したことは特筆すべきである。また食餌制限したマウスでは、対照群に比べてより多くのニューロンが維持され、運動機能もより良好だった。著者たちは、今回用いたErcc1Δ/−マウスが、食餌制限の影響の研究や、治療的介入の試験において有効なモデルになるだろうと考えている。
2016年9月15日号の Nature ハイライト
- 神経科学:青斑核による記憶の固定化
- 構造生物学:クラスA GPCRでのシグナル伝達
- エピジェネティクス:長鎖非コードRNAであるXISTのメチル化
- 地球化学:地球の組成の代理指標としてのコンドライト隕石
- 地球化学:地球の地殻とマントルの組成はコンドライト的
- 進化学:アカンソステガ化石の見直し
- 免疫学:慢性ウイルス感染を抑制するCD8+ T細胞
- がん:PGC1αの転移抑制
- 老化:食餌制限のマウスモデル


