Nature ハイライト

進化学:アカンソステガ化石の見直し

Nature 537, 7620

デボン紀のステム群四肢類であるアカンソステガ(Acanthostega)の生活や習性については、明らかになっていない側面が多い。指趾の付いた肢はあったが、分かっている情報の全ては、アカンソステガが完全に水生であったことを示唆している。今回S Sanchezたちは、既知のアカンソステガ標本の大半が単一の大量死遺骸群集に由来しており、それらの骨化の状態から、標本中で最大の個体が6歳以上であるにもかかわらず、それら全てが幼体であることを明らかにした。つまり、成体だと分かる個体は含まれていなかったのである。この研究は、知られる中で最古級に当たる四肢類の生活の一端を見事に捉えたものだが、一方で、陸生脊椎動物の生活史の進化に関する多くの疑問も提起している。

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