Nature ハイライト
進化学:アカンソステガ化石の見直し
Nature 537, 7620
デボン紀のステム群四肢類であるアカンソステガ(Acanthostega)の生活や習性については、明らかになっていない側面が多い。指趾の付いた肢はあったが、分かっている情報の全ては、アカンソステガが完全に水生であったことを示唆している。今回S Sanchezたちは、既知のアカンソステガ標本の大半が単一の大量死遺骸群集に由来しており、それらの骨化の状態から、標本中で最大の個体が6歳以上であるにもかかわらず、それら全てが幼体であることを明らかにした。つまり、成体だと分かる個体は含まれていなかったのである。この研究は、知られる中で最古級に当たる四肢類の生活の一端を見事に捉えたものだが、一方で、陸生脊椎動物の生活史の進化に関する多くの疑問も提起している。
2016年9月15日号の Nature ハイライト
神経科学:青斑核による記憶の固定化
構造生物学:クラスA GPCRでのシグナル伝達
エピジェネティクス:長鎖非コードRNAであるXISTのメチル化
地球化学:地球の組成の代理指標としてのコンドライト隕石
地球化学:地球の地殻とマントルの組成はコンドライト的
進化学:アカンソステガ化石の見直し
免疫学:慢性ウイルス感染を抑制するCD8+ T細胞
がん:PGC1αの転移抑制
老化:食餌制限のマウスモデル