Nature ハイライト
がん治療:MCL1タンパク質は抗がん剤の標的候補
Nature 538, 7626
抗アポトーシス作用がある生存促進性タンパク質のMCL1はさまざまな腫瘍で発現しているが、今回このタンパク質の新規阻害剤が見つかり、その特性が報告された。S63845と名付けられたこの化合物は、ミトコンドリアが仲介するBAX/BAK依存性のアポトーシス経路を活性化し、複数の固形腫瘍モデルで有効性を示した。このことから、MCL1の阻害は単独でも、あるいは他の抗がん剤と併用した場合でも、実現可能な抗がん戦略となると考えられる。
2016年10月27日号の Nature ハイライト
学習アルゴリズム:ニューラルネットワークとコンピュータープログラムからなるハイブリッド人工知能
がん治療:MCL1タンパク質は抗がん剤の標的候補
宇宙物理学:三重星系の重力不安定性
惑星科学:月の高エネルギー巨大衝突起源説
量子物理学:量子系に触れる
超重元素:ノーベリウムの化学的性質を捉える
生物地球化学:大気中の二酸化炭素と植物の成長
古生物学:白亜紀の鳥類発声器
社会学:女性性器切除に対する姿勢
合成生物学:生まれ変わったリプレッシレーター