Nature ハイライト
合成生物学:生まれ変わったリプレッシレーター
Nature 538, 7626
リプレッシレーター(repressilator)として知られる最初の合成遺伝子振動子は、今世紀初頭において、ほぼ間違いなく合成生物学分野を先導するものとなるはずだった。ところがリプレッシレーターは、周知のように信頼性が低いのである。今回J Paulssonたちは、制御ループを加えることによってではなく既存の機能を減らすことによって、オリジナルの設計でエラー伝播と情報損失を減らすことに成功し、際立って正確かつロバストな振動を達成した。ノイズの多い生物との相互作用にもかかわらず、このような正確なふるまいが比較的単純な回路で達成できるという事実は、細胞ベースの治療や、複雑で可変性のある環境での合成手法の信頼性についての現在の議論に示唆を与えるであろう。
2016年10月27日号の Nature ハイライト
学習アルゴリズム:ニューラルネットワークとコンピュータープログラムからなるハイブリッド人工知能
がん治療:MCL1タンパク質は抗がん剤の標的候補
宇宙物理学:三重星系の重力不安定性
惑星科学:月の高エネルギー巨大衝突起源説
量子物理学:量子系に触れる
超重元素:ノーベリウムの化学的性質を捉える
生物地球化学:大気中の二酸化炭素と植物の成長
古生物学:白亜紀の鳥類発声器
社会学:女性性器切除に対する姿勢
合成生物学:生まれ変わったリプレッシレーター