Nature ハイライト
古生物学:白亜紀の鳥類発声器
Nature 538, 7626
小鳥のようなさえずりからガンの地鳴きまで、鳥類は鳴管で音を発する。鳴管とは、気管が気管支に分岐する、基部の強化された骨環が特殊化したものに由来する器官である。更新世および完新世の断片的な化石、ならびに正式には記載されていない始新世の単一発見物を別にすれば、鳴管には化石記録が存在しない。今回、J Clarkeたちは、恐竜時代の鳴管を初めて記載している。これは白亜紀の南極のVegavis iaaiの新標本に由来するものである。Vegavisは、現在のカモやガンに近縁の鳥類であり、その化石鳴管の研究から、現生近縁種に似た声で鳴いていたらしいことが分かった。
2016年10月27日号の Nature ハイライト
学習アルゴリズム:ニューラルネットワークとコンピュータープログラムからなるハイブリッド人工知能
がん治療:MCL1タンパク質は抗がん剤の標的候補
宇宙物理学:三重星系の重力不安定性
惑星科学:月の高エネルギー巨大衝突起源説
量子物理学:量子系に触れる
超重元素:ノーベリウムの化学的性質を捉える
生物地球化学:大気中の二酸化炭素と植物の成長
古生物学:白亜紀の鳥類発声器
社会学:女性性器切除に対する姿勢
合成生物学:生まれ変わったリプレッシレーター