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惑星科学:スプートニク平原が準惑星冥王星を再配向させた仕組み

Nature 540, 7631

冥王星のスプートニク平原は、現在地の北西でおそらく彗星衝突の結果形成され、その後この盆地が揮発性物質の氷で満たされるにつれて、現在の位置へと再配向したと考えられる。
冥王星のスプートニク平原は、現在地の北西でおそらく彗星衝突の結果形成され、その後この盆地が揮発性物質の氷で満たされるにつれて、現在の位置へと再配向したと考えられる。 | 拡大する

Credit: Illustration by James Tuttle Keane.

スプートニク平原は、冥王星表面の大部分を占めるさしわたし約1000 kmの盆地である。今回J Keaneたちは、スプートニク平原の位置が、盆地内に揮発性物質の氷が堆積したことと、それにより生じたこの準惑星の再配向(真の極移動)の自然な結果であることを報告している。スプートニク平原に揮発性物質がゆっくり堆積するにつれて、カロンからの潮汐トルクの引っ張りによって、最終的に冥王星–カロンの潮汐軸とこの盆地の位置がそろった可能性がある。スプートニク平原はおそらく、現在地の北西で形成され、輸送サイクルの結果として数百万年の時間スケールで、揮発性物質が堆積されていったと考えられる。

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