Nature ハイライト
細胞生物学:ダイナミンとミトコンドリアの分裂
Nature 540, 7631
呼吸とエネルギー産生を司る細胞小器官であるミトコンドリアは、絶え間なく分裂と融合を行っている動的な系である。ミトコンドリアの分裂では、膜のリモデリングと分裂が起こる部位の引き絞り(ほぼ500 nmから10 nmへ)が起こるが、これはミトコンドリアのダイナミン関連タンパク質Drp1だけによって行われていると考えられてきた。今回G Voeltzたちは、哺乳類細胞ではDrp1に加えて古典的ダイナミンのDyn2が使われており、これが切断部位をさらに引き絞ってミトコンドリアの分裂を起こすことを報告している。連続的に起こるこの切断過程で、Dyn2はすでにDrp1により変形が起こっている箇所に分裂の直前になって集まるらしい。
2016年12月1日号の Nature ハイライト
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細胞生物学:小胞体へ向かうもう1つの経路
細胞生物学:ダイナミンとミトコンドリアの分裂