Nature ハイライト
がん:膵神経内分泌腫瘍のゲノミクス
Nature 543, 7643
膵神経内分泌腫瘍(PanNET)は、膵臓の上皮性新生物の中で2番目に多い腫瘍である。A ScarpaとS Grimmondたちは今回、国際がんゲノムコンソーシアムの一環として、102例の原発PanNETの全ゲノム塩基配列解読について報告し、その変異シグネチャーの解析結果を示している。彼らは、クロマチンリモデリング、DNA損傷修復、mTORシグナル伝達活性化、テロメア維持などの機能を持つ遺伝子で変異が頻繁に起きていることを見いだした。また、DNA修復遺伝子MUTYHの不活性化に起因するものを含む、複数の変異シグネチャーが明らかにされ、生殖系列がPanNET発生に予想以上に大きな関与をしていることが分かった。
2017年3月2日号の Nature ハイライト
古生態学:熱水噴出孔に存在した初期生命
がん:膵神経内分泌腫瘍のゲノミクス
分子生物学:遺伝子内のDNAメチル化の役割
生化学:メタン触媒の分子構成
天文学:ガスのアウトフローはブラックホールの内部円盤に応答している
材料科学:歯のエナメル質から着想を得た強靭な材料
地球科学:地球の核の内部での結晶化
免疫学:CARで腫瘍拒絶をドライブする
細胞生物学:機械ストレスに応答した細胞分裂
植物科学:光化学系IIでのO=O結合形成